セロリ案件

世界を征服しようぜ

『テニミュ』を知るにはまだ遠い

ミュージカル『新テニスの王子様』がついに幕を開けた。おめでとうございます!
配信にて見届けた感想は一言で言うと「とても面白い」に尽きる。
忘れないうちに初日に感じた衝撃をまとめておきたい。

私と友人は楽しみすぎて地元のホテルに宿をとりプロジェクターを借りてU-17ユニの酒樽も手作りしてその日を迎えた。


10月3日の午前4時。私はフォロワーと『新テニミュ』の構成を考えた。

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「『テニミュ』だったらこうする」
「今までのデータ上こうなる」
そんなことを考えながら作り上げた。
結果としては、ほとんど違った。あっているところもあったが、そもそも私たちの根底にある「『テニミュ』が作る『新テニミュ』」という考え方そのものが違っていた。

コーチは皆を率いる立場のある大人として圧倒的な歌唱力と演技力を持ち、テニミュボーイズは出演メンバーだけでは補いきれない人物の動きを表すために舞台上を駆け巡る。
こんなこと、『テニミュ』ではなかった。

楽曲もスタイリッシュでキレのあるカッコいい曲が多い。ロックだったりジャズだったり、全体的にノリのいい曲が多い印象だ。それも従来の『テニミュ』との違いを感じる。
テニミュ』と違い、派手なフォーメーションダンスは少ない。もしかしたらご時勢もあって全体練習が取りづらかったからかもしれない。その分の歌のクオリティがとんでもなかったのだが。
曲の並びも、試合の流れも、演出も、私の知っている『テニミュ』とはなにもかも違っていた。そんな曲順なのか、ここで歌うんじゃないのか、まさかのあなたが歌うのか。
とにかく、一から十まで「こんな演出『テニミュ』にはない。はじめて見た」という気持ちでいっぱいだった。

予想と大幅に違っていたが、私は「己の予想を超えたもの」を出してきた『新テニミュ』に心を奪われてしまった。

テニミュ』は18年目に突入し、シーズンも3回目を終えている。これまでの情報や知識や経験、反応率も含めた膨大なデータを持つ『テニミュ』が、『新テニミュ』をつくるにあたってその資産に甘んじなかった。
テニミュ』で得たものを踏襲し、再構築して『新テニミュ』という全く新しい舞台を作り上げたのだ。これは進化でも退化でもなく、好きや嫌いなどの嗜好の問題でもない。私を含め『テニミュ』を観てきたあらゆる人が持つデータとは全く違う表現で『新テニミュ』を見せてくれたこと、尚且つそうしてできた作品がとても面白かったこと。このことについて関係者すべての人の努力を感じるし、敬意を表したい。


私は『テニミュ』を理解していると思っていた。
歴こそながくはないが、それでも自分は『テニミュ』のよき理解者だと思っていた。
だがそれは驕りだった。
私が『テニミュ』を理解できるのはまだ先になりそうだ。それが、心の底から嬉しい。




マジでマジでマジでマジで最高おもしろいから全人類観てください。
20日からアーカイブ配信もあります。