セロリ案件

世界を征服しようぜ

石丸ハイドに殺されたい

先日、ミュージカル『ジキル&ハイド』を観ました。




『JEKYLL & HYDE』JAPAN2018 Official Trailer


原作及びFGO好きの友人に誘われたことがきっかけ。石丸さんの主演は未だに観たことなかったことと友人から誘われることが珍しいうえにプチ旅行となる楽しみもあり、行って来ました。久々の梅芸。2013ロミジュリ以来?

学生時代に読んだ記憶はあるのですが細かいことは殆ど覚えておらず、しかしどうやら舞台は小説と違うストーリーであると聞いてワクワクしながら参りました。



一番の感想




あぁ~~~~~~!!!!
石丸ハイドに殺されてぇなぁ!!!!!!!!





あの余裕たっぷりな色気、ドスのきいた声、地の底を這いずり回りそうなのにとてもきれいな歌。
なんの躊躇いもなく哀れみの感情もなく人を殺す姿は、恐怖や畏れを通り越して、何だか全てを超越した存在のように見えてくるんですよね。人ではない、でも神のような崇高な存在ではない、しかし悪魔のような理不尽さはない。「人ならざる何か」を体現したような姿は心惹かれるものがありました。



狂乱した父のために、人の心に内在する善と悪を分けた上で悪を引き剥がす薬を開発したヘンリー・ジキル。己を被験者にして実験して生まれたもう一人の人格がエドワード・ハイド。
ジキルのなかに悪であるハイドがいたと私はてっきり思っていたのですが、どうやら違いました。ハイドは純粋な悪でもなくジキルも純粋な善でない。互いが混ざりあって一人の男の精神の均衡を保っていたんですね。きっと。


愛する婚約者エマとの結婚式を控えているのに己で実験をはじめるとか、エマの気持ちを考えたらしませんって!周りから「あんな頭のおかしい男と結婚するなんて」と言われているエマの立場を考えていたらそんなこと出来ないですよね?でもそれを実行してしまうのは彼の自制心の無さゆえなんですよ。

実験をするにしても、婚約者や親友に何も告げないことで彼らがどれだけ自分のことを心配するのかを考えないところに配慮の無さを感じます。
どこまでも研究者気質です。

また、ハイドが殺人を繰り返していることを日記に綴っておきながらも何の対処もしていないあたり結構ヤバヤバな人ですね。薬とかは作ってましたけどそれとは別に。例えば「○○(次に殺されそうな人)が殺されたら僕を捕らえてくれ」と手紙に書くとか。死後の財産の話する前にそういうことを手紙に書いてくれ、ジキル。

とはいえ、彼が優しく真面目で勤勉で人を愛していた男だったことに間違いありません。だからこそエマも彼をずっと信じていましたし、ルーシーもそんな彼の姿に惹かれたんですね。



前回観た石丸さんは『キャバレー』のMC役でした。キャバレーそのもの、物語を動かす人物であり、天の上から神の視点で語る(歌う?)存在で、とにかく煽るんです。登場人物のことも、観客である私達のことも。

そんなMC役を経ての今回のハイドは、2016年版とはまた違う演じ方になったと、石丸さんはパンフレットにて仰っていていました。観ればよかった2016年!!



観劇後に友人とひたすら「熱い血がたぎるぜ」とか「OK Google!『ハイド 消す 方法』」とか「ジキル!ハイド!ベストマッチ!」とかくだらない話をしていましたが、なかでも「ハイドの殺人方法が多種多様すぎて最早武井壮」に一番笑いました。いや、本当にあらゆる方法で人を殺してくるんですよ、ハイド。


あらゆる暴虐を尽くしてあらゆる殺戮を犯していくハイドですが、その罪を何とも思わぬ姿、神を恐れぬ姿が妖しくカッコいいのです。
道徳とかルールとか法律とか規則とかいろいろなものに縛られて生きている私と比べて、あまりに自由なその姿が一生なれないしなるべきではないその生き方が、とても輝いて見えました。


石丸ハイドに殺されたいですね。

観た方、全員思われたことでしょう!




「石丸ハイドに殺されたい」って曲ありそう。サブカルっぽくて。