セロリ案件

世界を征服しようぜ

夏の終わりの『リフレッシュ』

ミュージカル『テニスの王子様』を観てきました。全国氷帝公演が始まったのです。氷帝の夏です。

こいついつもテニミュ観てるなって友達から思われている今日この頃。

遂に始まった全国氷帝

【PV】ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝

こちらは懐かしの2nd!

ミュージカル『テニスの王子様』全国大会 青学vs氷帝 初日ダイジェスト映像!!
ハァ~懐かしい!



物語のラストを飾る曲『リフレッシュ』が大好きなので、思いの丈を語りたいと思います。



『リフレッシュ』とてもいい曲なんですよね。優しいメロディと直球な歌詞。死闘を繰り広げた試合後の、吹っ切れたような爽やかな心情がガツンと響きます。


試合に勝った青学のパートは、
「風が爽やかなのは汗をかいたせいじゃない」
「太陽が眩しいのは疲れ果てたせいじゃない」
と、夏真っ只中の情景が目に浮かぶ歌詞です。

対して、試合に負けた氷帝のパートは、
「夏がいとおしいのは夢を見てたせいじゃない」
「冬が待ち遠しいのは期待してるせいじゃない」
と、夏の終わりを感じる歌詞になっています。

まだ夏が続く青学と、もう夏が終わった氷帝が、美しい歌詞で対になっているんですね。
更にそれぞれ続く歌詞では、青学は「新しい時の流れがここから始まるから」なのに対して、氷帝は「新しい時の流れをここから始めるから」になっているんです。次の試合が始まる青学と、自分たちで次のステップへ踏み出す氷帝

夏のゲリラ的な大雨が上がって爽やかな風が吹く昼前の空気が伝わってきます。


比嘉もいいんですよね!テニスのためにはるばるやって来た彼らにはこれから帰る場所があって、彼らの帰りを待っている人がいる。胸を張って帰ってほしいな。


勝った青学だけジャージを着ていて、負けた氷帝と比嘉は制服を着ている。一足先に夏を終えた二校が夏服を着て、合間に一緒に笑顔でダンスを踊るところとか不意討ちで涙が出そうになります。

そして最後の「リフレーッシュ」の部分!「レ」の口の形なので、自然とみんな笑った顔になっているんです。なんて爽やかなんだ。




そんな大好きな曲『リフレッシュ』ですが、私はこの曲がずっとトラウマでした。
その理由は「あまりに爽やかすぎたから」です。




現在上演中は3rdシーズンの全国氷帝公演。私が全国氷帝公演を初めて生で観劇したのは、2ndシーズンでした。

福岡公演。8月31日という、正に夏の終わり。
氷帝と比嘉の二校の夏が終わるという「物語上」の寂しさと、この板の上にいる皆のうち青学を残して二校はもういなくなるんだなという「テニミュ側」の寂しさが一気に押し寄せてきたのを、いまでも覚えています。

観劇後、まだ暑いとはいえ少しずつ風が涼しくなっていきどんどん夏が終わっていく毎日を過ごしながら、私はずっと全国氷帝の夏にとらわれていました。なにかと「また観たい」と呟いていて、『リフレッシュ』の爽やかな曲が頭から離れませんでした。

それから約1ヶ月後。千秋楽のライブビューイング。熱の入りすぎて空回るシーンが多かった千秋楽。めろめろと泣きながら、これでやっとスッキリできると確信してました。

けれど、結局スッキリしませんでした。


モヤモヤしながら、私はずっと「まだ公演中なのに観られない」ことが悔しいのだと思っていました。けれど千秋楽を過ぎてもモヤモヤしたまま。これが己のことながらずっと分からなかった。

なぜだろうと考えていたんでしょうね。ある日、私はTwitterでこう呟いていました。



“あれから何度もリフレッシュが脳内再生されるのに今だに新しい自分に生まれ変われない…“


“全国氷帝の方がよっぽど辛かったな~何が辛いって夏に観る聞くリフレッシュな…8月31日に「夏が愛おしいのは夢を見てたせいじゃない」とか歌われたら…思い出すだけで泣けてくる…“


“私は全然リフレッシュしてなかったんですよ…あの夏はまだ終わっていないのに王子様方はみんな先にリフレッシュしちゃったんですよ…置いていかれてみんなが先に進んで行くのがとっても耐えられなかった…“



彼らはとっくにリフレッシュして、終わる夏を受け入れているのに、私はずっと受け入れられませんでした。
爽やかな曲とともにどんどん次の季節へ進んで行く彼らを観ながら、私はまだ彼らの熱い夏にしがみついていたかったのです。気持ちの整理がつかないままの自分が未練がましくて、そこが一番悔しかったのです。
「青春体感ミュージカル」なんて謳われて、彼らと同じ気持ち同じ目線で熱を感じることができる『テニミュ』にハマったのに、全然同じ気持ちになれなくて。
相当悔しかったのか、こう呟いていました。



“たまに本気で全国氷帝公演観たいうわああああでも一生観れないつらいってなるから私はリフレッシュ出来ていない。夏が愛おしいのは夢を見てたせいじゃない。“



「全国氷帝は一生観られない」
そう思っていました。
でも数年経って、2018年に、また観ることができました。

もちろん、当時とキャストは全く違うし、演出も変わっているし、曲も違う。
当時と全く同じ舞台なんて無いので、当時の私は「私がまた観たかった全国氷帝は一生観られない」と思っていました。

けれど、3rdの全国氷帝で私は「また観られてよかった」と安心しました。

『リフレッシュ』をまた聞くことが出来たからかな、と思ったのですが、多分そうではありません。

恐らく、舞台上にいた「彼ら」は、私が当時観た「彼ら」と同じだったのです。


演じるキャラの解釈やキャラへのアプローチの仕方は、役者それぞれ違います。役者も違ってキャラへの捉え方も違う。それでも、そこを経て辿り着いたキャラ像と、舞台上で輝く彼らは5年経っても変わらなかった。私は、それがとても嬉しくて安心しました。

やっとリフレッシュ出来そうです。



舞台はナマモノ。見逃したら一生後悔する。成仏出来ない。
私はそう思っていましたし、今でもよくそう思っています。

けれど今回、成仏出来ない気持ちを抱えて、それでも『テニミュ』を見続けていて、また観たかったものを観ることができました。感無量です。

今後もし見逃して後悔することがあっても「また彼らを演じてくれる人が出てくれる」と、後悔を期待に変えることが出来そうです。
もちろん出来れば見逃したくないものですが!



全国氷帝、絶賛公演中です。
リフレッシュしにぜひ劇場へ!